政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「千波、行こう」
引き返していったおじいさんを見送り、航君はまた歩を進め始める。
「あの、航君。ご両親は……」
「大丈夫、何度も言っているけど、千波はただ、俺の隣にいればいいから」
私の声を遮るように放たれた言葉は、二度聞かされたもの。最初は私がボロを出さないように言っているのだと思っていたけど、本当は違うんじゃないかな?
結婚に反対されているから、なにを言われても私は話すなってことじゃないの?
その思いが強くなり始めた頃、航君はある部屋の前で足を止めた。彼がドアを開けた先は二十畳ほどの和室が広がっていて、飾られている壺や掛け軸は、見るからに高価そうなものばかり。
中央に檜で作られた長テーブルが置かれており、少しして家政婦がお茶と和菓子を並べていった。
航君に座って待とうと言われて腰を下ろしたものの、ずっと落ち着かない。
古の言い伝えを幼い頃から航君にしているくらいだし、この結婚を望んでいると思っていたけど違うのかもしれない。
やっぱり家柄の問題? でも当然か、いくら言い伝えのためといっても天下の庵野グループに嫁ぐのが、借金を抱えた私じゃ反対されるはず。
だけど、借金返済に瑠璃の医療費まで出してくれた航君の恩に報いるためにも、どんなに反対されたって認めてもらわなければいけない。
まずはしっかりと挨拶をして、それから……とご両親に会ってからのことを考えていると、航君のスマホが鳴った。
引き返していったおじいさんを見送り、航君はまた歩を進め始める。
「あの、航君。ご両親は……」
「大丈夫、何度も言っているけど、千波はただ、俺の隣にいればいいから」
私の声を遮るように放たれた言葉は、二度聞かされたもの。最初は私がボロを出さないように言っているのだと思っていたけど、本当は違うんじゃないかな?
結婚に反対されているから、なにを言われても私は話すなってことじゃないの?
その思いが強くなり始めた頃、航君はある部屋の前で足を止めた。彼がドアを開けた先は二十畳ほどの和室が広がっていて、飾られている壺や掛け軸は、見るからに高価そうなものばかり。
中央に檜で作られた長テーブルが置かれており、少しして家政婦がお茶と和菓子を並べていった。
航君に座って待とうと言われて腰を下ろしたものの、ずっと落ち着かない。
古の言い伝えを幼い頃から航君にしているくらいだし、この結婚を望んでいると思っていたけど違うのかもしれない。
やっぱり家柄の問題? でも当然か、いくら言い伝えのためといっても天下の庵野グループに嫁ぐのが、借金を抱えた私じゃ反対されるはず。
だけど、借金返済に瑠璃の医療費まで出してくれた航君の恩に報いるためにも、どんなに反対されたって認めてもらわなければいけない。
まずはしっかりと挨拶をして、それから……とご両親に会ってからのことを考えていると、航君のスマホが鳴った。