政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「悪い、会社からだ。ちょっと出てくる」

「はい、どうぞ」

 私に断りを入れて車から降り、電話に出た航君。

 昨日もだけど、休みの日に電話がかかってくるのはいつものことなのかな? でもこれじゃせっかくの休日でも、ゆっくり休むことができないよね。

 航君がどんな仕事をしているかよくわからないからこそ、心配になる。

 今月でアルバイトも辞めるし、今後は生活面でしっかりとサポートしていこう。私が航君にできることといえば、子供を産むこととそれくらいだもの。

「待たせてすまなかった。それで悪いんだが、会社に行かなくてはいけなくなった。どうしても俺が行かないといけなくて。……せっかくの千波の誕生日なのに悪い」

「いいえ、大丈夫ですよ。私のことは気にせず会社に行ってください」

 仕事だもの、それは仕方のないことだ。それに航君は責任のある立場にいるんでしょ? 彼が行かなければわからないことがあるのだろう。

「急ぎでしたら私、ここから電車かバスで帰りますよ」

「いや、そんなに時間はかからないし、一緒にマンションに帰ったほうがいいだろうから会社で待っててくれ」

 そういえば私、航君のマンションに行ったことがない。それなのにひとり残されてもたしかに困るかも。
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