政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「わかった。じゃあ私はいつもお見舞いに来てくれたお姉ちゃんを、笑顔で出迎えるね」

「うん、じゃあ約束ね」

「はーい」

 お互いクスクスと笑いながら小指を絡ませた。

 母が亡くなり、父がいなくなっても真っ直ぐに生きていられるのは、瑠璃の存在があるからだ。瑠璃は私にとってなによりも大切な存在。瑠璃を守るためなら、なんだってする。
 指きりをしながら改めて強くそう誓った。

 それから面会時間ギリギリまで瑠璃と他愛ない話をして病院を後にした。

「すっかり暗くなっちゃったな」

 日が落ち、街灯の明かりを頼りに家路を急ぐ。

 明日は休日で、多くの観光客が来るから土産物店は忙しい。いつもより一時間早くシフトに入っている。

 家に帰ってから布団に入るまでの流れを頭の中でシミュレーションしながら足を進めていると、アパートの前に見慣れた車が一台停まっているのが見えた。

 運転席から私の姿を確認したのか、降りてきたのは母の兄である伯父、如月(きさらぎ)和之(かずゆき)だ。
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