政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
「大丈夫か? さっきから声をかけても反応がないし、どっか体調が悪いんだったら病院に行くけど」

「いいえ、大丈夫です!」

 ただ、ちょっと考え事をしていただけだもの、病院だなんてとんでもない。

「本当に?」

「はい」

 すぐに答えれば信じてくれたようで、航君は車のエンジンを止めた。

「だけど昨夜は無理をさせてしまったし、心配だから少し部屋で休むといい」

 車に降りながらサラッと言われた一言に、昨夜の情事が頭をよぎって一気に身体が熱くなる。

 その間に航君は助手席に回ってドアを開けてくれた。

「ありがとうございます」

 恥ずかしくて顔を伏せたまま車から降りる。すると航君は私の手を握った。

「こっち」

「あっ……」

 私の手を引いて歩き出した彼の背中を見つめながら胸が高鳴る。

 どうして航君に対して私はいつもドキドキしてしまうのだろう。昨夜はもっとすごいことをしてついさっき結婚したというのに、手を握られただけで胸は苦しいほど締めつけられている。

 こうして彼が触れる女性は、私だけで会ってほしいとさえ願ってしまう。
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