私は天使に侵されている
美麗が愛しくて堪らない━━━━━━

できることなら、このままこのマンションに閉じ込めて誰の目にも触れさせずに“二人だけで”暮らしたい。
それ程までに、美麗の全てを欲していた。

「ううん。何もないよ。
とにかく、お金の心配しないで?
美麗は自分の為に、使いなよ!」
「え?それはダメだよ!
なんかないかな?私でもちゃんと払える生活費」
「んーわかんない。全部パパ持ちだし!」
「えー!じ、じゃあ…毎月、お義父様にお金払う!
はした金かもしれないけど……」
「パパはきっと、受け取らないよ」
「そう…だよね…」
美麗が少し俯く。
どうしても受け入れられない。
「美麗……」

「では、駐車場代を毎月払っていただいたらどうですか?」
そんな美麗の姿を見て杉宮が言った。
「え?」
「駐車場代くらいなら、美麗様の負担にならないのでは?来夢様、バイクを停めていらっしゃいますし」
「はい!それなら…!
じゃあ…来夢くん、そうさせて?」
「美麗がそう言うなら……!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
荷解きも令子達が手伝ってくれ、あっという間にその日の内に引っ越しが終わってしまった。
「あの…ありがとう!」
「いえ…“来夢の”お願いだから!」
令子にお礼を言うと、軽く睨みつけられた。

「え……?」
「“私は”認めてないので!」
と、令子は言い捨てて去っていった。

「令子ちゃん、来夢くんのこと……」
< 17 / 66 >

この作品をシェア

pagetop