私は天使に侵されている
暴走族とヤキモチ
後日来夢の暴走族のたまり場に、仲間達に呼ばれ引っ越しパーティーをしていた。

一番置くにある大きなソファに、来夢と美麗が並んで座っている。
来夢が美麗の腰を抱き、時折美麗を見つめている。
「ラブラブ…/////」
「こんな来夢様、初めて見た!」
「こっちまで、恥ずかしくなる////」
仲間達が、口々に言っている。

「じゃあ!改めて!!
ちょっと遅くなったけど、来夢(様)、美麗ちゃん引っ越しお疲れ様~!!」
「ありがと!」
「ありがとう。
………って、お疲れ様なのはみんなの方だよ!
手伝ってくれてありがとう!」
微笑んで言った美麗。

「………」
「え?え?な、何?」
急にみんなが黙ってしまい、美麗は不安になる。

「ね?
律儀でしょ?美麗って!」
来夢の声で、またみんなが動き出す。
「あ、あぁ。今までにはいないタイプだな……!」
と、健悟も言った。

「え?なんなの?」
「美麗ちゃんみたいな人って、俺達の仲間にはいないタイプだってこと。なんて言うのかな?
やってもらって当たり前みたいな奴が多かったから!」
「そんな……当たり前なんて…ダメだよ!」
「え?」
来夢や健悟、令子がまた黙ってしまう。

「美麗?」
「どんな立場にいても、どんな関係性でも“して当たり前”なんてないよ!
特に今回、みんな無償でお手伝いしてくれたってゆうか……お手伝いどころか、ほとんどみんながしてくれたでしょ?
私がお礼を言うことの方が“当たり前”だよ!」

力説するように言った美麗。
来夢達は、心に温かいモノを感じていた。

「美麗、ほんっといい女だね!」
来夢が微笑み言う。
「へ?」
「確かに!来夢が惚れるのわかる!」
「そうだなぁ!」
健悟や他の仲間達も大きく頷き微笑んだ。

美麗を仲間として受け入れつつあった。

「なによ…調子に乗っちゃって、バカみたい……!」
令子一人を除いては……
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