無彩色なキミに恋をして。

「朝から調子が悪そうだったから…
 それにここ最近ずっと食事も召し上がらない
 元気もない。
 俺自身が…そんな緋奈星さまが心配だった。
 個人的な想いなのでとても失礼だという事は承知の上で、放っておくなんて…どうしても、したくなかったんです」

険しい眼差しを向け
自分の気持ちを訴える燈冴くんの言葉1つ1つに圧倒されたわたしは、呼吸を忘れるほどに、ただ驚くばかり。


もしかして彼は
わたしを想って心配してくれていた…?
”迷惑には思っていない”って意味だったなら
わたしの思い違いだった…?

「緋奈星さまが、もう俺を必要なくなったとしても
 放っておきたくなかった」

「え?」

さっきまでの勢いある言葉とは違い
今度は、かげりのある表情で『たとえ嫌われていても…』と囁くその言葉に、目を見張った。

「ま、待って!?
 嫌いとか必要ないだとかッ
 そんなの違うッ!」

「え…?」

「わたしはそんなこと思ってない!
 いつも大切にしてくれているのに
 そんなの罰が当たる!」

人は時に、言わないようにと止めておいた感情を
抑える事が出来なくなる。

「わたしが燈冴くんの自由を奪っているせいで
 友達や家族と会う時間も
 自分の時間を過ごすことも出来ないんだよ!
 そんなの嫌ッ!足枷になるのだけはッ」
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