無彩色なキミに恋をして。
言い過ぎた事に慌てて口をつぐんだけれど、そんなのもう遅くて。
燈冴くんは目を細め『なるほど…』と冷静な反応に、完全に全部読まれていた事を悟った。
「緋奈星さまが今まで私を避けていた理由が
ようやくわかりました」
溜め息を零す彼に返す言葉が見つからない。
本人に知られちゃ元も子もないのに
まさか自白で墓穴を掘るなんて
本当、馬鹿。
「《《彼女》》に何か吹き込まれたんですね」
「そ、それは…」
気まずさと困惑からギュッと目を瞑り
『これ以上は何も答えない!』って自分に言い聞かせていたのに、思いがけない投げ掛けに動揺。
これじゃ肯定しているも同然。
「足枷とはどういう事でしょうか」
厳しい目つきに変わり明らかに不機嫌な燈冴くんを前に、言い訳が思いつかず成す術がーない。
誰でもそうだけど、今更『なんでもありません』は気になるのは当然。
…とは言っても
どんな会話からそうなったかまでは言いたくなくて。
「そのままの意味。
本当のことだから…」
9割の説明を省いて口を濁したのは
元宮さんの、《《あの》》告白を思い出したから。
わたしの口から言ってしまって燈冴くんがどんな反応を示すのか…
2人が会ってた事が、その答えになりそうで
事実を知ることを避けたんだ。