無彩色なキミに恋をして。

元宮さんの言葉に大きく影響を受けて
突然勝手に燈冴くんを避けたのはわたしの方。

彼は何も悪くないのに八つ当たりして
”切り離してあげたい”って思っているはずなのに
出た言葉は、《《責め》》。

わたし
どんどん嫌な女になってく…
人としても最低になってる―――――


―――――
―――

「頭…いた…」

翌朝、いつもより1時間も早く目が覚めて
なんとなく不調を感じてベッドから体を起こしてみたものの
異様な頭痛にこめかみを押さえて悶絶。

ここ最近の不摂生と疲れが限界に来たんだろうな…。


冬の早朝はまだ陽が昇っていなくて
窓の外は真っ暗。
我ながらこんなに早く目が覚める事なんて珍しい。
体調不良のせいなのかな。

「は…ぁ…あー…」

心なしか喉にも違和感を感じて
声を出そうにも掠れて出しづらい。

こんな時に風邪ひくなんて、ツイてない。

まだ時間も早いし二度寝をと思っていても
頭痛と喉の痛みに邪魔されて完全に覚醒してしまい
仕方がないからこのまま起きるしか手はないみたいだ。


風邪をひくなんて
燈冴くんにバレたくないな。
彼の事だから心配しそうだし
今はあまり関わりたくない。

『今日は出来るだけ大人しく過ごそう』と自分自身に言い聞かせながら部屋を出た。


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