無彩色なキミに恋をして。
廊下の足元はセンサーライトのおかげで進むたびに光を灯してくれ、わざわざ電気を点ける必要がないしバスルームは1階・シャワールームは2階と設置されていて、まだハウスキーパーさんもいなくて静かで気付かれづらい。
こんな状態でも朝シャワーはしっかり済ませ
ドレッシングルームで着替えとメイクも終わらせた。
そうこうしているうちに
日の出が近くなってきたのか外が明るくなり始めてくる。
キッチンへと近づくにつれて
食器の音や人の気配を感じた。
たぶん、燈冴くん。
彼はこんな早い時間には、もう起きているんだ…
ドアまで近付いたところで
中に入るのは止めて自室にリターン。
変わらず痛む頭を庇いつつ
いつもの時間のアラームが鳴るまでソファで休む事にした。
―――コンコン
昨晩と同じように部屋をノックする音で目が覚めた。
…というよりも、ビクッと全身で驚いた。
慌てて起き上がり壁の時計を見ると、もう7時を過ぎている。
最悪…
数分の間に爆睡していたみたい。
アラームは鳴った形跡はあるものの全く気づかなかったらしく【6:30】の画面のまま。
せっかく早く起きたのにこれじゃ意味がない。
洋服と髪を整え直してからドアを開けると
また昨晩と同じように燈冴くんが立っていた。