冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす
「アンタ、瀬川のなにがよくて結婚したんだ?」
「えっ」
桐生さんは腰を折って私を覗き込み、嘲笑しながら首をかしげた。
後退りをする前に、瀬川さんの手が私と桐生さんの間に割って入ったかと思うと、頭上から「俺の妻に勝手に話しかけるな」と敵意に満ちた聞こえてくる。
……前言撤回。このふたり、仲よくないみたい。
「奥さんよ、この男はAIでコンサルティング業界に革命を起こした風雲児、そう思ってんなら大間違いだ」
「え……?」
「コイツはなぁ、トップ・エールで上司だった俺が必死に教え込んでやったノウハウを全部AIに取り込んだら、さっさと辞めて今度はうちにそれを売りつけてきたんだよ!」
聞こえは悪いが、おそらく内容は間違っていない。
資本主義市場の厳しい構図を目の前で見せられている気分になり、ドラマみたいでドキドキしてきた。