冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす
『……なにしてるんです?』
震える手もとを操りチョコを垂らす私を、ジータは青い光をピコピコさせながら覗き込む。
「ふふふ。仕上げにチョコで絵を描こうと思って」
『お昼ご飯なのにチョコ? 糖分が多すぎですよ。それに虫歯になります』
「んもう、ジータってけっこううるさいんだね」
自分の分と瀬川さんの分、それぞれに違う絵を描いた。
とくに意味はないけど、旦那さまに出す初めてのパンケーキなのだから特別なものにしたい。自己満足でもそれでいいのだ。
『その絵はなんです?』
「なんだと思う?」
『……福笑いですか?』
「ひどい! 瀬川さんの似顔絵だよ!」
ジータの顔の青い光が急に点滅し、ハテナマークに変化する。
もしかして似ていない?と不安になったが、そこへちょうどよく瀬川さんの足音が近づいてきた。
「芽衣? なに騒いでるんだ」
彼は私の買った青いチェック柄のスリッパを履いており、私とジータの間に割って入ってきた。