冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす

『ご主人、私にまで妬かないでくださいよ』

「妬くわけないだろう。お前はメスなんだから」

『あー! また私のことメスって言いましたね。レディに対してひどい!』

泣き真似をするジータのことは無視をして、瀬川さんは私の手もとに目を落とす。

「……これは?」

似顔絵を見て首をかしげている。
やっぱり似てないの?

「瀬川さんです。似てませんか?」

「……俺?」

なんて顔をするのだろう。目を開いて少しまの抜けた表情を私へと向けてくる。
次の瞬間には、いつも静かに閉じている口もとを震わせ、「フハッ」と吹き出した。

「瀬川さん?」

「いや、悪い……こんな顔をしているのか、俺は」

「す、すみませんっ」

「ああ、ダメだ。笑って悪い、その……似てる。似てると思う。ハハッ」

笑って悪いと謝りながら、彼は本格的に笑いだした。
チョコペンの絵を見て笑われたのに、私はなぜかドキドキという鼓動が鳴り止まない。

瀬川さんが笑ってるところ、初めて見たんだもの。

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