挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)

瞑王のレッスン

<マンション・1>
<瞑王の帰宅>

「ただいまぁ・・」
レナの声だ。
瞑王が、うつむいて後ろをついてくる。

「神蔵様。それではレッスンを
お願いします」

瞑王はキャップを深くかぶり、
目を合わさない。
ぶかぶかのオーバーオールで
立っているだけだ。

「何か必要な物があったら
おっしゃってくださいね」
レナちゃんは、きれいな営業用
笑顔を神蔵に見せて、出て行った。

「ふぅーー」
息を吐くと、瞑王はソファーに
座り込んだ。
疲れているのだろう・・・

この娘は、冥界の娘とは全然違う。
笑顔もないし・・・

瞑王としての激務を、こなすだけでも大変なのだろう。

冥界や獄界は、欲にまみれた場所と聞いているが、

この子は仕事漬けで、
よっぽどストイックな日常を
送っているのではないか。

かわいそうだな・・・
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