挑発のライン・アイドル育成計画とは（恋する瞑王シリーズ３）

＜マンション・２＞

「今日のレッスンは・・
音楽って楽しいなと思う体験に
しましょう」

神蔵はピアノの前に座った。
「何か好きな曲はありますか」

「ない」
瞑王は想定内の答えを言った。

「それでは・・」
神蔵はピアノを弾き始めた。

癒しのBGM曲。
1/ｆのゆらぎは心を落ち着ける。

曲を弾き終わり、瞑王を見ると
眠っていた。

神蔵は立ち上がり、
寝室から毛布を持ってきて
かけてやった。

唇が少し開いて、気持ちよさそうに眠っている。
前髪が乱れて、目のあたりがよく見えた。
まつ毛が長い。

トゲトゲした感じもなく・・
無防備で子どものように
可愛らしいと神蔵は思った。

それから音量を落として、
眠っている瞑王のそばで、
神蔵は子守歌を弾いた。

瞑王が目を覚ますと、
神蔵は微笑んで言った。
「エリカ、今日のレッスンは
終わりです」

瞑王はしばらくボケッとしていたが、何も言わず寝室に戻った。