挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<オーディション会場・3>

ミニスカートから出た足は
きれいだから、自信をつけなければ・・・

と、神蔵が思ったその矢先に
瞑王はカーテンの陰に隠れようとした。

すかさず神蔵は瞑王の手をつかんで、引っ張り出した。
そして両手を握って向き合う。
それから言葉を続けた。

「二人で出ても、注目は私に集まります。いいですね」
エリカがうつむいて、
小さくうなずいた。

神蔵は
エリカの手を力強く握った。

「だから、心配しないで・・
あなたに注目する人は、
そんなには、いませんから」

エリカは私の指示の通り、
やるべきことをやってください。
冥界の儀式と同じです」

決められた儀式は・・
瞑王はこなしていると聞いた。

仮面をつけたり、
深くフードをかぶる事も多いが、
注目が集まるのは同じだ。

「失敗しても、私が必ずフォローするので、大丈夫です」
神蔵は
エリカの目を覗き込んだ。

「うん、わかった」
エリカはルビーの目をそらしたが、小さな声で答えた。
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