挑発のライン・アイドル育成計画とは(恋する瞑王シリーズ3)
<貞操の危機事件・その7>

パパァーーーーン

マンション前で
車のクラクションが鳴った。

レナの声だ。
「神蔵様ぁ・・
どこにいらっしゃいますぅ・・
返事をしてくださいよぉ!!

「レナちゃん・・こっち・・」
植え込みから、神蔵が合図をしたので、レナが駆け寄ってきた。

「鬼が出たって聞いて!!」
「ああ、なんとか撃退した!」
あれは、撃退と言えるだろうか・・

「神蔵様、
すぐに天界に戻って!!
こっちでうろうろしていると、
あの鬼、めんどくさいから」

レナが口早に言った。
「瞑王様、場所変えますから、
すぐにタクシーに乗ってください」

レナは放心して、ぐったりとしているエリカの腕をつかんだ。
「さぁ、行きますよ」

レナに引きずられるように、
でも、最後、
神蔵の方を・・振り向いた。
ルビーの瞳は、
涙ぐんでいるように見えた。

終わりは・・・
あっけなかった。

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