思っていたのと 違うのですか‼︎
「翔さんに智美を紹介したのは、俺たちだ」
「へ?」間抜けな声が出た。
「初めて書いたのは、悠仁さんに勧められたからだろ。それを読ませて貰ったんだ。
[山野の娘に面白いのがいる]ってね。本当に面白かった。世に出るべきだと思った。
だから、2人で作品を翔さんの目につくように画策した。当時から翔さんは文芸の鬼だったしな」
悪戯がバレた子供のように笑う智さんが可愛かった。私まで楽しくなってくる。
東京タワーだ!と指差せば、「登るか?階段で」と笑い。カフェを見掛ければ「少し休憩するか?」と労ってくれる。
幸せだ。
いつも文字にし切れず、苦しみながら絞り出した言葉の形がここにあった。
これからはもう少し幸せな終わりが迎えれるかもしれない。
それでも、いいのだろうか?翔様に相談してみよう!
「楽しそうだな」
「楽しいです。智さんといっぱいお話が出来るとは思っていませんでした」
「フッ、話好きな方ではないが、話さないわけじゃない」
「だって」
「お前の反応が可愛くて。つい」
またかわいいって言った‼︎