関係に名前を付けたがらない私たち
 ノストラダムスのおっさんがどういう人なのかは詳しく知らなかったけれど、友達の話によれば“なんか凄い人”のようで、過去にありとあらゆる予言を的中させたフランス人だそうだ。

 例えばベルリンの壁もそうみたいだよ、と説明されたのだけれど、当時いわゆるギャルだった私はおバカタレントなるものが流行っていたこともあり“おバカは愛嬌”だと大きな勘違いをしていた。

 だから「ベルりんって誰?」とわりと真面目にそんなことでも口にし、同じくギャルだった友達も「私もよく知らないんだけど占い師みたいな人じゃないの」と、金髪のエクステを指にくるくる巻きつけながら言っていた。

 その友達の本名は覚えていないけれど、みんな彼女をめぐちんと呼んでいて、私は「大原 愛」という名前なので“あいぼん”と呼ばれていた。

 当時の写真を見ると、金髪の頭にハイビスカスを咲かせて、ミニスカートよりもっと短いマイクロミニのスカート、厚底にも程がある“ガン高ブーツ”を履いた私たちが思い思いのポーズで写っている。

 頭悪そうだなぁ、と、いい年の大人になったからこそ思いもするけれど、当時は毎日がイベントみたいで無意味かつ無責任に楽しかった。

 夜な夜なクラブやバーに足を運んでは夜明けまで馬鹿騒ぎ。
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