朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「私さ、今日は帰れないでしょう?
もうちょっと付き合ってよ。
スイーツ食べに行きたい!」

「いいけど……
なんで帰れないんだ?」

「一応ね、親同士が話すことなんてないと思うんだけど、念のためよ。
家に私が居たらおかしいじゃない。
大学生なんだし、別にそこまで気にすることないと思うんだけどねー
愛先生なら大手を振って送り出してくれそうなのに。泉は真面目なんだから……」

「……意味がわからないんだが……」

「え?…今日……聞いてない?」

「何が?」

「あ……えっと…その…………ごめんっ!」

撫子が顔色を悪くして、突然頭を下げた。

「何だよ」

「てっきり、どっちかから聞いてると思ってたの……」

「だから何を?」

「……泉、今日温泉に一泊するの……」

「は……?」

ボソッと呟いたその言葉の意味が理解出来るまで、数秒……いや、もっとかかったかもしれない。
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