朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「ここね、お酒も飲めるダイニングバーなの。ウェイティングバーだけでもOKなのよ。
オーナーがお兄ちゃんの友達で連れてきてもらったことがあるの」

撫子に連れられて来たのは、大人の雰囲気が漂う、ダイニングバーだった。

奥のテーブル席は入口からよく見えなかったが、手前のカウンター席はカクテルを飲む人で賑わっていた。

たまたま空いていた席に2人で座る。

こういう所で飲むカクテルを、俺は知らない。
正直、どうするべきか困惑していたら、撫子が言った。

「白ワインでもいい?
私、カクテルはよくわからないんだけど、父と兄がワイン好きだから、ワインは少しわかるの」

ありがたい。
ここは撫子に任せるとしよう。

「俺は全くわからないから、撫子に任せるよ」

「了解。
……あ、すみません!
このチリ産のソーヴィニヨン・ブランをお願いします」

少しして、注文したワインが届いた。
ワインクーラーと共に提供されたボトルワインに思わず声をあげる。
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