朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
こっちも予定通りだ!

「京、すごいよ。
お前マジですごい!!」

「ああ、これもう絵画だよな」

山根さんと加藤さんが絶賛してくれる。

良かった……。
俺、やり遂げたんだ。
一瞬、ブルっと震えた。
武者震いか…?
アドレナリンが出まくっているのだろう。
俺は達成感でいっぱいだった。

「山根さん、加藤さん、お2人が組上げてくださったおかげです。ありがとうございました! 」

俺は2人に思いっきり頭を下げた。

完成予想図を見せたとはいえ、本当にその通りになるかは未知数だったんだ。

それなのに、俺を信じてこの2日、一緒に完成までやり遂げてくれた。
もう感謝しかない。

遅くなった昼飯の後、ブースに戻ると最後の仕上げに掛かる。

ライトの調整をし、つがいの鶴がより美しく見えるように……。

その次はショーケースだ。
実際はこっちがメインだからな。

ショーケースは、今回和がメインテーマなので、黒にしている。

映えるな
素晴らしい

ショーケースの中に入れるバームクーヘンは、正絹のとっておきの子風呂敷に包まれたもの。青磁さんいわく、撫子イチオシの風呂敷だそうだ。

ああ、俺のバームクーヘンがめちゃくちゃ綺麗になっている……。
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