朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「……っ!!」

「良かった……良かったね」

気が強くて、お喋りで、あんな嫌がらせにあっても決して負けない、涙も見せなかった撫子が、俺のために泣いてる。
良かった……良かった、と言いながら。

「撫子……」

どうしようもない愛おしさが込み上げる。
こいつは、俺の女だ。
俺の唯一の女だ。
目尻を指で押さえる撫子の手を外し、そっと口付ける。

「撫子が好きだ」

「え……」

「もう一度だけ言う。
俺と付き合おう。
……理由は、撫子が好きだからだ」

「あ、」

絶対に、撫子が取り違えのないように、想いを伝える。

3年前には言えなかったこと。

ただ『付き合おう』じゃない。
撫子が好きだから付き合いたいと。

そう言えるだけの自信と確信が持てなかったあの時。そんな俺の迷いを論破されて、セフレとして過ごしてきた。

後悔はしていない。
俺達は正直に生きてきたから。

あの時はセフレとしてでも、撫子を繋ぎ止めるだけで精一杯だったんだ。

でも、今は違う。
俺達にもそれなりの歴史があって、もうかけがえのない存在だとわかっている。
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