愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「ご無沙汰しています。翔です。・・・はい、元気にしています。あの、実はお願いがありまして、波月商事ってところについて、そっちで何か繋がりがないか調べて欲しいんです。はい、お待ちしてます」
電話を切って、翔さんが私と向き合う。
「不安な顔しなくても、大丈夫だよ」
「すみません、実家のために翔さんに迷惑かけてしまって」
「迷惑?俺の大切な人達から幸せを奪うのを阻止するのは、当然の行動だよ」
翔さんが私を抱きしめた。

一旦、私は仕事に戻り、夕方に社長室を訪れた。
「さっき電話したのは、前の会社で、俺を教育してくれた先輩でね。ずっと俺の味方でいてくれた兵藤さんっていう人だ。一旦、会社は辞めたけど、また戻って来ててね」
「翔さんが尊敬する人って、お会いしたいです」
「そうだね。また落ち着いたらね。兵藤さんが色々と動いてくれてね、金曜日に直接、お見合い相手に会って来るよ」
「えっ!会うんですか?」
「あぁ、1日でも早く春花への思いを断ちたいんだよ」

金曜日の夜に、翔さんは波月商事のご子息に会いに行った。
何もなければいいけど・・・
そう願いながら、家でそわそわして待っていた。
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