愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「ただいま」
翔さんの帰って来た声を聞いて、慌てて玄関まで迎えに行くと、疲れている様子だった。
「翔さん、大丈夫ですか」
「あぁ、大丈夫だよ。ご飯は食べて来たから、とりあえず、このままシャワー浴びてくる。後でお父さんと話したいんだ。純太くんに準備だけしてもらってて」
「は、はい」
翔さん、かなり疲れているし、元気がない。
もしかして、今日、相手の人と上手くいかなかったのかもしれない。

私は、純太に連絡をして打ち合わせの準備だけして、連絡を待ってと伝えて、ソファで翔さんを待っていた。

無造作に髪を拭きながら出て来た翔さんに、お水を渡すと、勢いよく飲んで、寝室に入ったかと思うと、髪型を整えてソファに座った。

「もうすぐ終わるからね」
私を抱きしめて、軽く口づけを交わす。
「大丈夫ですか?」
「あぁ、ほっとしただけだ。それよりも、お父さん達と早く話をしたい」
純太に連絡して、オンラインで翔さんがお父さんに、この1週間の事を説明した。
ヒビノ製作所の製品は、皆に認められる製品で、直接取引をしたい会社が多いことを伝えた。お父さんと純太は顔を合わせて喜んでいた。
その後、波月商事のご子息は、製作所で私に会い、一緒の大学で私を見かけて気にかけていたが、告白をするとかではなかった。
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