愛するあなたへ〜blue roseを私にください
それから2ヶ月、佐野さんにお願いしていたことを日比野さんにお願いすることが多くなった。

彼女が俺に対する姿勢は、全く変ることがなかった。
今までは、優しく接すると、段々と女性らしさを醸し出して近づいて来たから・・・
「社長、日比野さんどうですか?」
「そつなく作業してくれるから助かるよ。覚えようとする気持ちが伝わってくる」
「例の、女性的な部分で接して来たりしますか?」
「全くと言っていいほどないね」
「まぁ、彼女は大丈夫そうですね」
「そうだね」
あったら鬱陶しいけど、彼女には全くその様子が無いので、7歳離れてしまうと、俺には興味が湧かないのかと、男として少し寂しく感じてしまった。

ある日、日比野さんより少し前に入社した小道さんから、打ち合わせしたいと声を掛けられた。
最近気にはなっていたし、そろそろきちんと指導しないと。
案の定、相談されたプレゼンは、顧客のことを考えて作られたものとは感じなかった。
「顧客はどんな要望なの?それに対する君の考えは?それで、君がその要望に対して、どんな提案をどれだけ考えたの?顧客の要望だけ?君がここは改善した方が良いとかアドバイスはないの?」
質問すると、全く返ってこない。
「ゆっくりでいいから説明してみて」
時間を与えても、それ以上の答えは無かった。
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