愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「じゃあ、どんな質問しても答えられるような資料にやり直して、また相談に来なさい」
それで会議は終了した。

翌日、小道さんから退職の申し出があったと、佐野さんから小道さんの退職届を受け取った。

それから数日後、給茶室の近くに来た時、女性2人の話声が聞こえた。
「この声、日比野さんか。もう1人は・・・小道さんか?」
小道さんが俺の話をしているのが分かった。
「まぁ、腹を立ててるんだろう」

後にしようと戻ろうとした時、日比野さんの声が聞こえた。
「社長は、翔羽の考え方を知って欲しくて、きつく言ったかもしれないですよ」
日比野さんが珍しい。
声に怒りを感じる。
俺のために、怒っているのか・・・
話を聞いていると、日比野さんの言葉が胸に響いた。
自分の思いなんて、入社して早々の人に分かるはずもない。
そう思っていた。
一緒に仕事することも多いけど、理解して貰えて嬉しかった。

そして彼女の言葉
「それに同じ女性として、社長に気に掛けて欲しいと思う気持ちは凄くわかります」
今までにそんな風な素振りは、一切見せてない。
今までは、そんな気持ちがあるなら、秘書の仕事はもう頼まないと思っただろう。
でも何故か、彼女にはもっと頼みたい。
自分の気持ちの変化に驚きを感じつつも、2人の会話が終わりそうだったから、その場から立ち去った。

社長室に戻りデスクに向かっていると、日比野さんが書類を持って来た。
< 88 / 110 >

この作品をシェア

pagetop