あの日溺れた海は、
「華はね……小説の才能に全ステした馬鹿なの。」
そう落ち着いた玲の声でバッサリと切り捨てられたわたしはがっくりと頭を垂れて「馬鹿…。」と呟いた。そんなわたしを見て月と喬佳はゲラゲラと笑い、彩加もくすりと上品に笑みを浮かべた。
「誕生日なのに、祝ってもらったのに、このむなしさは何…。」
「あっ、せっかくなら、このままみんなで遊びにいこうよお!
華ちゃんも、もうコンテストに出す作品がほとんど仕上がったんでしょう?」
うなだれたまま呟くわたしに、彩加は汗をかきながら励ますようにそう言った。
「そうだね。」「ねー!いこいこ!」と他の部員も声をあげて賛成をしたので、わたしも今日くらいは、と「いく!」と元気よく返事をして、原稿や筆記用具を片付けようとした。
…のに、無い。
原稿用紙が、どこにも無い。
確かにわたしは自分で下敷きにして寝たはずなんだけど…。
…あ、その後よだれがつくからと思って、机の横にはけたんだっけ…?
でも、置いたはずの場所には、無い。
なんで!?
なんでなんで!?
そう落ち着いた玲の声でバッサリと切り捨てられたわたしはがっくりと頭を垂れて「馬鹿…。」と呟いた。そんなわたしを見て月と喬佳はゲラゲラと笑い、彩加もくすりと上品に笑みを浮かべた。
「誕生日なのに、祝ってもらったのに、このむなしさは何…。」
「あっ、せっかくなら、このままみんなで遊びにいこうよお!
華ちゃんも、もうコンテストに出す作品がほとんど仕上がったんでしょう?」
うなだれたまま呟くわたしに、彩加は汗をかきながら励ますようにそう言った。
「そうだね。」「ねー!いこいこ!」と他の部員も声をあげて賛成をしたので、わたしも今日くらいは、と「いく!」と元気よく返事をして、原稿や筆記用具を片付けようとした。
…のに、無い。
原稿用紙が、どこにも無い。
確かにわたしは自分で下敷きにして寝たはずなんだけど…。
…あ、その後よだれがつくからと思って、机の横にはけたんだっけ…?
でも、置いたはずの場所には、無い。
なんで!?
なんでなんで!?