エリート弁護士との艶めく一夜に愛の結晶を宿しました
父は、私がひとり娘なのもあってか昔から稀一くんを自分の息子のように可愛がって、彼を高く買っていたから、彼が彼の父と共に顧問弁護士として会社に携わっているのをとても喜んでいた。
私だって嬉しい。稀一くんには、昔から憧れにも似た恋心を抱いていた。一方で、自分が相手にされるはずなどないと諦めていたところもあったので、今の状況は正直信じられない。
彼は私が幼い頃、小さいという意味も込め『ひな』と呼んでいた。さすがに私も大人になり、結婚してからはしっかりと『日奈乃』と名前で呼ばれるようになった。
それはそれでくすぐったい。たまに癖になっているのもあるのか昔のように『ひな』と呼ばれることもあるけれど、私はどちらでもかまわない。
『日奈乃、結婚しよう』
プロポーズの言葉を思い出し、頬が熱くなる。さっさと頭を切り替え、お馴染みのコーヒー店のブレンド豆をコーヒーメーカーにセットしはじめる。 挽いていない状態でもいい香りだ。
ややあってシャワーを浴びて、ネクタイはしていないものの皺ひとつないワイシャツを身に纏った稀一くんがダイニングに現れた。
お決まりの位置に座ると、置いてあった新聞を手に取る。そのタイミングで私は淹れたてのコーヒーと朝食を彼の元に運んだ。
「サンキュ」
「どういたしまして」
稀一くんはあまり朝から量を食べる人ではないので、トーストにカットフルーツかサラダを添えるのが定番のメニューだった。
おかげで朝食の準備にそこまで時間も手間も取られない。朝のキッチンに立つ時間は、どちらかといえば夕飯の準備や作り置きに充てている。
私は自分のカップにコーヒーと同量の温めたミルクを入れて、彼の真向かいに座った。
先ほどとは打って変わって、仕事仕様の彼をじっと見つめる。優雅に腰掛け、新聞に注がれる視線は真剣そのものだ。見ていて飽きない。
私だって嬉しい。稀一くんには、昔から憧れにも似た恋心を抱いていた。一方で、自分が相手にされるはずなどないと諦めていたところもあったので、今の状況は正直信じられない。
彼は私が幼い頃、小さいという意味も込め『ひな』と呼んでいた。さすがに私も大人になり、結婚してからはしっかりと『日奈乃』と名前で呼ばれるようになった。
それはそれでくすぐったい。たまに癖になっているのもあるのか昔のように『ひな』と呼ばれることもあるけれど、私はどちらでもかまわない。
『日奈乃、結婚しよう』
プロポーズの言葉を思い出し、頬が熱くなる。さっさと頭を切り替え、お馴染みのコーヒー店のブレンド豆をコーヒーメーカーにセットしはじめる。 挽いていない状態でもいい香りだ。
ややあってシャワーを浴びて、ネクタイはしていないものの皺ひとつないワイシャツを身に纏った稀一くんがダイニングに現れた。
お決まりの位置に座ると、置いてあった新聞を手に取る。そのタイミングで私は淹れたてのコーヒーと朝食を彼の元に運んだ。
「サンキュ」
「どういたしまして」
稀一くんはあまり朝から量を食べる人ではないので、トーストにカットフルーツかサラダを添えるのが定番のメニューだった。
おかげで朝食の準備にそこまで時間も手間も取られない。朝のキッチンに立つ時間は、どちらかといえば夕飯の準備や作り置きに充てている。
私は自分のカップにコーヒーと同量の温めたミルクを入れて、彼の真向かいに座った。
先ほどとは打って変わって、仕事仕様の彼をじっと見つめる。優雅に腰掛け、新聞に注がれる視線は真剣そのものだ。見ていて飽きない。