エリート弁護士との艶めく一夜に愛の結晶を宿しました
 好きという感情が溢れかえって止められない。すぐに舌のざらりとした感触があり、あっという間に彼によってキスは深いものになる。

「っん……はぁ……」

 くぐもった声が浴室だとやけに響き羞恥心が煽られる。でもやめて欲しくなくて、稀一くんの首に腕を回してしがみつき、懸命に彼のキスに応えた。

 心臓が煩くて、舌も唇も触れ合う肌も全部が熱い。キスをしながら彼の骨ばった手が私の髪に触れ、濡れた皮膚の上を滑っていく。

 どれくらいキスを交わしていたのか。頭がぼーっとしてきたタイミングで口づけは止まった。

「好き」

 息も切れ切れに伝えると今度こそ稀一くんは笑う。

「ん、俺も好きだよ」

 そう言って首筋に軽くキスをされ、強く抱きしめられた。汗で額に張り付いている私の前髪を稀一くんの長い指が掻き上げる。

 そこに唇を寄せられ、彼の仕草ひとつひとつに私の心臓は強く打ち続けっぱなしだ。

「可愛いな、俺の奥さんは」

 けれど、その言い方が妙に子ども扱いされている気がして私は唇を尖らせる。すると素早く唇を重ねられ、私は目を見張った。

「ほら、調子がよくても長湯は体に障る」

「……うん」

 稀一くんに促され私は彼から少しだけ距離を取る。寂しいようなホッとしたような複雑な気持ちだ。それは顔に出ていたらしい。
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