天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
悪戯っぽく目を光らせて私をからかう先生に声を限りに叫んだ。
「揚げ足取らないでくださ〜い!」
「茉莉花ちゃん、興奮しない。ここカフェだよ」
氷室先生は至極楽しそうに微笑み、私の唇を指でゆっくりとなぞりながら嗜めた。
「興奮させてるのは先生ですよ!誰にでもそんなふうにキスしてるんですか!」
子犬のごとくキャンキャン吠える私を彼は楽しげに眺める。
「心外だな。茉莉花ちゃんだけだよ。その意味わかってる?」
「わからないから聞いてるんです。先生は私なんか相手にする必要がないくらい女の人にモテるのに……。単にからかうのが目的ならやめてください」
なぜ私にキスしたり、触れてくるの?
悩ましげに言う私の頬に手を添え、彼は真剣な眼差しで告げた。
「いい加減気づいてほしいな。俺は茉莉花ちゃんが好きなんだ」
彼の告白を聞いて頭が真っ白になる。
「嘘……」
先生にとって私はオモチャみたいな存在かと思っていた。
私は周囲にいるような女の子と違って愛嬌なんてないし、基本的に無表情。
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