天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「うちの樹?」
樹って氷室先生の下の名前だよね。
なんとなく顔の雰囲気似てるし、実は姉と弟とか?
首を傾げて聞き返す私に氷室先生はフッと笑って答える。
「中山先生は俺の叔母さんなんだ」
「ええ〜。中山先生っておいくつなんですか?」
叔母さんには見えない。
「ふふっ。いくつでしょうね」
私の質問には答えず、口元に笑みを称える中山先生の横で氷室先生がにこやかに毒を吐く。
「素直に答えないところがもう年なんだよ。この人、もう四十だから」
「あんたねえ、勝手にバラさないの」
眉間にシワを寄せる中山先生をまじまじと見つめて正直に自分の印象を伝えた。
「中山先生、てっきり三十くらいかと思いました」
「茉莉花ちゃんいい子ね。今度美味しいイタリアン連れて行ってあげる」
よしよしと私の頭を撫でる彼女。
さすが氷室先生と血が繋がってるだけあって行動が同じ。
「ありがとうございます。楽しみにしています」
クスッと笑って返したら、彼女は私に抱きついた。
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