天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「なにこの無邪気な笑顔。かわいい。うちに持って帰りたい」
「え?え?」
どう対処していいかわからず困惑していたら、氷室先生が中山先生を私から引き剥がして注意した。
「こらこら叔母さん、茉莉花ちゃんはペットじゃないからね。それに俺のものだよ」
「いえ、先生のものではありませんよ」
間髪おかずに訂正したら、中山先生がお腹に手を当てて笑い出した。
「もう最高!いいわ、茉莉花ちゃん」
「あの……私、そんなおかしなこと言いました?」
呆気に取られる私に、美人先生は笑いを噛み殺しながら答えた。
「おかしなことっていうか、樹を見ても塩対応なのがいいわ。あんた、見る目あるわね」
中山先生と視線を合わせ、氷室先生はどこか自慢げに頷く。
「だろ?」
「まあ頑張りなさい」
中山先生は氷室先生と謎の会話を交わすと、白衣のポケットから飴を取り出して、私にくれた。
「はい、これ。お近づきの印にあげる。私のお気に入りの飴よ」
「ありがとうございます」
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