天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
まだ震える身体で問う私の横に彼は腰を下ろし、私の両手を包み込むように握った。
「もう終わった。今診察が必要なのは茉莉花ちゃんだよ。手が震えてる」
「本当に……なんでもないんです」
視線を逸らして言い張ったが、先生は納得してくれなかった。
「茉莉花ちゃん、正直に言って。でなきゃずっとこのままだよ」
いつになく厳しい先生の声。
この状態では仕事が滞る。
そんなの許されないけど、先生に心配をかけたくない。
ただでさえ風邪で倒れてお世話になったのだ。
言う?言わない?
まだ迷う私に彼は少し悲しげに言う。
「茉莉花ちゃん、俺ってそんなに頼りにならない?」
ここまで言われては仕方がない。
「今日入院した患者さん……田辺さんのご家族が……私の見合い相手だったんです」
抵抗するのはやめて、田辺さんのことを話した。
「前にちょっと見合いの話してたね」
「はい。彼にいい印象を持てなくて父に見合いを断るよう伝えましたが、その後も食事に誘われて、父の会社のこともあって行きました」
「もう終わった。今診察が必要なのは茉莉花ちゃんだよ。手が震えてる」
「本当に……なんでもないんです」
視線を逸らして言い張ったが、先生は納得してくれなかった。
「茉莉花ちゃん、正直に言って。でなきゃずっとこのままだよ」
いつになく厳しい先生の声。
この状態では仕事が滞る。
そんなの許されないけど、先生に心配をかけたくない。
ただでさえ風邪で倒れてお世話になったのだ。
言う?言わない?
まだ迷う私に彼は少し悲しげに言う。
「茉莉花ちゃん、俺ってそんなに頼りにならない?」
ここまで言われては仕方がない。
「今日入院した患者さん……田辺さんのご家族が……私の見合い相手だったんです」
抵抗するのはやめて、田辺さんのことを話した。
「前にちょっと見合いの話してたね」
「はい。彼にいい印象を持てなくて父に見合いを断るよう伝えましたが、その後も食事に誘われて、父の会社のこともあって行きました」