天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
それに、私の父が会社を経営していることを話しても、たいして驚いてはいなかった。
私を如月茉莉花として見てくれる。
「大丈夫。必ず守るよ」
彼がニコッと笑って私の頭を撫でた時、身体の震えは止まっていた。
「いつも茉莉花ちゃんに励ましてもらってるから、今日は俺が魔法をかけてあげよう」
甘い笑みを浮かべ、先生は私に顔を近づけて口付ける。
ほんの一瞬のことだったが、思考が停止した。
え?
先生の唇が私の唇に重なった。
これって……キス〜?
「せ、せ、先生……ここ病院ですよ。な、なにしてるんですか!」
気が動転する私を先生は楽しげに眺める。
心臓がバクバクしている。
これって病気?
私……なにかおかしい。
「茉莉花ちゃん、顔真っ赤だよ。でも、元気になったね。俺の治療は終わり」
目の錯覚だろうか。
クスクス笑う先生がとてもキラキラして見えた。
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