猫を拾った

-Day 7-

「紫、起きろ」



その言葉でようやく目を覚ます。
長い夢を見ていた。

随分と長くて、心地の良い夢。
でも内容は思い出せなくて、もう一度見たいとさえ思う。


また目を閉じて眠ろうとすると、体を揺すられる。

アキさんだ。

...今は、何時なんだろう。


感覚的にはもう丸一日寝たような気分だ。



「起きろ、今日もいい天気だぞ」



容赦なく体を揺すってくるアキさんに、堪忍して起き上がる。



「俺はもう行くからな」



優里はもう来てる、そう言ってアキさんが出ていく。
布団からおきあがって、私もその後に続いた。



「じゃあ優里、なんかあったらすぐ連絡するんだよ」


「はい、お仕事頑張って」



優里さんは何かを急いでいて、二人を追い出すように外に出した。

二人が出ていったのを確認すると、安堵の息を吐く。



「紫、着替えて」


「え?」


「出かけるよ、今日は」



そういう彼女の手首には、赤い痣が着いていた。
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