御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
30歳になる直前、私が勤めていた会社が突如倒産した。
もちろん上の人達は異変に気が付いていたのだろう。

ここ数年長年働いていた人たちが次々と辞めていき、いつの間にか新人ばかりの職場になっていたが、私は同世代の人が増えて嬉しいくらいにしか思っていなかった。

社長一家はとても優しく、従業員全員を家族のように思ってくれていた。

だから給料の支払い額が額面より少なく、残りは後日と言われ支払いが滞っていても、いつも優しい社長だから今踏ん張れば絶対何とかしてくれると思っていた。

だがしかし、社会というものはそんなに甘くはなかった。

ある日会社に行くとたった1枚の謝罪の張り紙があるだけで社長一家は姿を見せず、行方も分からず、払われるべき給料も払われずに私は路頭に迷った。

手あたり次第面接を受けていたものの、高卒で一般事務の経験しかない私はこの年での転職活動に苦戦を強いられていた。

業種を限定せず、一般事務の採用を受けている中、ホテルウルーズにダメ元で書類を送ったら面接を受けさせてもらえることになった。
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