御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
「あの、色々とありがとうございます。疑ってしまってすみません。スマホの充電も切れてしまって、地図も読めないし、方向音痴なのでもうお手上げでした。本当に助かりました。ありがとうございます」

彼はすました顔でお辞儀をしてカードキーをドアにかざし、部屋の扉を開いてくれた。

室内のカードキーを入れるタイプのスイッチに彼がカードキーを差し込むとロビーにあったゴージャスなシャンデリアとはいかないまでも小ぶりな可愛いシャンデリアの灯が付き、ロココ調のお部屋が可愛らしく照らされた。

リビングには猫足の仄かに桜色したテーブルとこれまた猫足でシルバーのアカンサス模様の縁がある桜色のソファーが置かれていた。

まるでお姫様のくつろぎ部屋だ。

「凄い! 可愛すぎる!」

私が思わず口にすると、彼は静かに部屋を出てドアを閉めてくれた。

私は興奮して部屋の隅々を見て回った。

バスルームにも猫足のバスタブまで用意されていて気分はマリーアントワネット。

寝室のドアを開けるとキングサイズの天蓋(てんがい)付きベッドが置かれており、こちらももちろん可愛らしいロココ調である。

私は喜びのあまり、荷物を放り投げ、ベッドにダイブした。

一人では贅沢すぎるほど広い。

私が何故初めての海外旅行でこんな部屋に泊れるのかというのは1ヶ月前までに話を戻す必要がある。
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