S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「女性を連れてきたのは菜乃が初めて」
「ほんとに?」
うっかり素で喜び、しまったと口元を押さえる。朋久への想いはあまり漏らしたくない。
「気になる?」
テーブルに両肘を突いた手に顎を乗せ、朋久が意味深な笑みを浮かべる。
「だ、だって一応は妻だもん」
朋久がふと真顔になった。
(……なにか変なこと言ったかな)
真っすぐに注がれる眼差しにたじろいでいたら、朋久がポケットからおもむろになにかを取りだす。
「菜乃に渡したいものがある」
テーブルに小さな箱が置かれた。
「なにかわかる?」
「……指輪?」