S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

季節の野菜が添えられたフォアグラは、真っ白な皿に彩りよく盛られている。「さぁ食べよう」とフォークとナイフを持った朋久に菜乃花も倣う。

クリーミーなフォアグラは濃厚な味噌ソースとの組み合わせが抜群。


「おいしいね」


思わず目尻が下がる。

その後もオマール海老とマッシュルームのフリカッセや金目鯛のポワレなど、目にも鮮やかな料理を楽しみ、ロゼも飲みつつ朋久との時間が過ぎていく。
最後に運ばれてきたデザートは、かわいらしいドーム型の甘酸っぱいムースだった。


「朋くん、こんな素敵なところに連れてきてくれてありがとう。今までで一番のホワイトデーだよ」


これまでお返しはもちろんもらったが、食事デートはお初だ。


「菜乃なら喜んでくれるだろうと思った」
「……ここには恋人を連れてきたりもしたの?」


ロマンチックなお店ならきっとそうだろう。聞きたいような聞きたくないような複雑な気分だ。
< 174 / 300 >

この作品をシェア

pagetop