S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

間近に彼の目が迫ったため焦点が定まらない。いつもなら遠慮なく見つめ合い、そのままキスになってもおかしくない状況だ。


「な、ないから大丈夫」


パッと顔を離す。


「それじゃ料理は無理するな。俺がなにか作る」
「だけど朋くんは出張から帰ったばかりで疲れてるのに」
「べつに疲れてないから心配するな」


朋久は菜乃花の頭をポンポンとしてから立ち上がった。

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