S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「俺を信じろ」
「朋くんを……」


ぽつりと言いながら、強い目をした朋久を見つめ返す。

(……そう、だよね。朋くんがいればなにも心配いらない。おじさまなんて平気)

後ろを向いていた気持ちがしっかり前を向く。
仮になにか言われたとしても、菜乃花には朋久がいるのだから。


「弱気になってごめんね、朋くん」
「菜乃が謝る必要はない」


頭をポンとしてから、朋久の表情が急変する。


「謝罪は若槻廉太郎にさせる」


その目の冷やかさには、菜乃花でもゾクッとするほど冷酷さが滲んでいた。
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