S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「申し訳ありませんが、しばらくこの部屋へはお茶も結構です」
「か、かしこまりました」
四人からただならぬ空気を察知した女性は、少し慌てたように頭を下げ、障子を閉めて立ち去っていった。
「では、本題に入りましょうか」
廉太郎、充と順に目を向ける朋久からは、穏やかな口調とは裏腹に静かな怒りを感じる。
「な、菜乃花ちゃん、話してしまったのか? ……すべてを」
「……はい、おじさま、ごめんなさい。隠し通せなかったの」
昨夜、冷静に話し合いをしていたら、あの鑑定書をソファに置き去りにすることもなかっただろう。朋久の目に留まるような真似はしなかった。
彼に離婚を迫るのは、それだけ苦痛で、身を切られるような想いだった。
「このような偽物の鑑定書で菜乃花にありもしない話を吹き込むとは、どういうおつもりでしょうか」
「に、偽物なんかであるものかっ」