S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
この期に及んで廉太郎は自分の悪行を認めないつもりらしい。偽物を作った張本人が、一番わかっているはずなのに。
充が「偽物ってどういうことだよ」と廉太郎を凝視する。
もしかしたら充も、菜乃花同様に嘘を吹き込まれていたのかもしれない。
「それはおかしいですね。俺と菜乃花のサンプルだけで99.99%の精度の結果が出るはずがないんですよ。ここに書かれた機関には顔が利くので問い合わせましたが、若槻廉太郎という人物からそのような鑑定依頼はないと」
「なっ」
廉太郎はこれ以上ないほど目を見張った。
朋久がそこまで調べていたとは、菜乃花も知らない。
「巧妙に真似ていますが、機関の鑑定結果だと証明する印も作りもの。つまり、この鑑定書は偽装」
「父さん、偽装ってなんなんだよ。菜乃花と京極朋久は腹違いの兄妹じゃないのかよ」
充が廉太郎の肩を掴んで揺する。
「お、お前は黙ってなさい」
その手を払い、眉を上げ下げして戦慄くが……。