S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
充に次なる提案をされるが、六年ぶりに会った親戚にそこまでお願いできない。
「そっか。ところで、菜乃花はもう帰り? よかったら一緒に飯でもどう?」
「ごめん。これから職場のみんなと食事なの。待たせてるから急がなくちゃ」
両手を顔の前で合わせて謝る。
「じゃあ、またの機会だな」
「うん。それじゃ、行くね」
ひらりと手を振って足を速めた。
里恵が送ってくれたマップを頼りにイタリアンレストランへ到着し、すぐにテーブルに案内される。みんなはすでに揃っていたが、飲み物も頼まずに待っていてくれたようだ。
「待たせてごめんねー」
「おお、やっと来たか」
里恵の隣に腰を落ち着け、お酒を注文。今夜はチーズフォンデュのコースらしく、野菜やフルーツ、バケット類が続々と運ばれてくる。
『焼きたらことフライドポテト、意外といけるね』『アボカドも相性ばっちりだよ』などと変わり種も楽しみ、三カ月ぶりの同期との集まりは職場の話をしているうちにあっという間に時間が経過していく。