S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
菜乃花と里恵以外のパラリーガルとして働く四人の話は分野が違うため興味深く、特に朋久の名前が話題になるたびに〝やっぱり朋くんはすごいな〟と思わされる。四人ともエリート弁護士の朋久を目標にしているから、言葉に熱がこもって当然かもしれない。
自分が褒められているわけでもないのに誇らしく、彼が活躍した話をもっと聞きたいがお開きの時間となった。
「それじゃ、今夜はここまでってことで」
会計を済ませて店の外に出る。痛いくらいに冷えた北風がお酒で火照った頬を撫でていく。
タクシー組と別れ、電車組の菜乃花が同棲している里恵たちと並んで歩きはじめたそのとき。
ププッと短いクラクションが鳴り、三人揃ってそちらを向く。
「……え、嘘」
呟くように小さな声が菜乃花から零れた。
朋久の車がそこに停車していたのだ。外国産の高級SUV、ホワイトパールの大きな車体がものすごい存在感である。
まさか迎えに来るとは思いもせず、足を止めたまま棒立ちになる。