S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「誰? 菜乃花の知り合い?」


里恵と城下が、菜乃花と車の間に視線を行き来させる。車だけでは朋久だとわからないみたいだ。


「知り合いというか……」


菜乃花が朋久と同居しているのは周知の事実とはいえ答えに窮していると、運転席から朋久が降り立った。


「えぇっ、京極先生!?」


里恵たちが調子はずれの声をあげる。今の今まで話の中心だった人物が登場したのだから無理もない。
朋久は歩道の柵に手を突いて、華麗にジャンプで乗り越えた。


「朋くん、どうしたの?」
「菜乃花を迎えに来たんですか?」


菜乃花と里恵の声が重なる。


「出かけたついでにね。ほかのみんなは?」


三人の顔にざっと視線を流して辺りを見回す。
< 34 / 300 >

この作品をシェア

pagetop