S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「ちょうどコンビニに買い物に出たついでだ」
「ついででこんなところまで?」
ここからマンションまでは電車でも二十分かかる。それにコンビニならマンションから徒歩で行ける距離だ。
「あ、わかった。私が男の人に誘われたら困るからでしょう」
もちろん本気でそう思っているわけではない。ジョークを飛ばしてクスッと笑う。
ところが、いつもなら即座に繰り出されるはずの〝そんなわけがあるか〟といったストレートパンチが飛んでこない。
(……あれ?)
反応に拍子抜けしていたら、横顔からでもわかるほど朋久の目が泳いだ。
「……朋くん? どこか具合でも悪いの?」
顔を覗き込むと、朋久はチラッとだけ合わせた視線をすぐに前に向けた。
「どこも悪くない。べつに普通だ」