S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「酒飲んだんだろう? 水も飲んでおいたほうがいい」
「なにもいらないって言ったのに」
「いらないなら俺が飲むからいい」
「せっかくだからいただきます」


朋久が引っ込めようとしたペットボトルを掴んだ。
あれだけ『なにも買ってこないぞ?』と念押ししていたくせに、つっけんどんな優しさがかえって胸に響く。


「それからこれもやる」


菜乃花の手のひらにのせられた小さなチョコレートの包みは、子どもの頃よく朋久が買ってくれたチョコレートだった。それも菜乃花が好んで食べていたビスケット入りだ。


「懐かしい。……けど、夜に食べたら太るって言わないの?」
「今食べろとは言ってない。明日にしておけ」
「無理。今すぐ食べる」


目の前に大好きだったチョコを差し出されたら明日まで待てない。


「だけど一個だけ?」
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