S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「申し訳ありません。このようなお話になるとは予想もしなかったので、プライベートな発言は控えさせていただいたんです。綾美さん、申し訳ありません」
「そう、だったんですか……」
彼女が落胆したように肩を落とす。
申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、好意のない女性に気を持たせるほうが罪だろう。
「京極くん、今の話は本当なのかね? 本当にそんな女性が? この場から逃げるためでなく?」
疑り深く何度も問いただす。
「今度、教授にもご紹介させていただきます」
スマートな笑顔で答えながら、困ったことになったなと頭の中は次なる一手をどうしたものかと思案でいっぱいだった。